仏教経典にもその薬効が唱われる古典的薬草として知られるビワは、バラ科に属する植物で、中国中南部が原産の常緑樹です。
インド、中国でも古くから民聞療法として、煎し汁が健胃整腸、夏の清涼剤に、また温灸などさまざまに利用されてきました。最近では、ガン予防にも効果があるといわれ注目されています。
ビワは、3000年の昔からそのすぐれた薬効が知られていました。インドの古い教典には、ビワの木は「大薬王樹」、葉は「無憂扇」とあります。
「薬効のある植物はいろいろありますが、もっとも効果のあるのはビワの木で、その枝、葉、根、茎のすべてに薬効のある成分が含まれている」という意味のことが書かれ、さらに「水や蜜、牛やヤギの乳に混ぜて服用してもよし。香りをかいでも、体にあぶっても、手に触れただけでも生けるものすべての病気を治す」と説かれています。
中国の古い漢方の書、『本草綱日』でも「胃を和し、気を下し、熱を清し、諸毒を解し、脚気を療ず」と説明されています。古くから中国の家庭の保健薬として愛用されており、疲労回復、夏ばて、カゼの予防などにもつ
かわれてきました。
また〃枇杷葉湯〃は今でも広く飲用されています。
このように、仏教伝学として出発したビワの葉の療法が日本に伝わってきたのは奈良時代で、施薬院にはビワの葉療法を用いた事跡が今でも残っています。
そして、各地の寺にビワの木が植えられて村人たちの病を救ってきましたが、大正時代になってもある寺に20万人以上の難病、奇病の人が全国から集まってきたという記録もあるほどです。
ビワの葉の成分はブドウ糖、果糖、マルトース、デンプン、デキストリン、酒石酸、リンゴ酸、アミグダリン(ビタミンB17)、タンニンなどです。
特にアミグダリンは重要な成分で、これを精製してレイトリルという薬品をもつくられています。
1950年、米国の生化学者、アーネスト・クレブス博士はびわ種子からアミグダリン(ビタミンB17)を抽出し、これが酵素と共に働いてすぐれた効果をもたらすということを明らかにしています。
アミグダリン(ビタミンB17)を含む植物として、ビワの種、アンズの種、ビワの葉、ウメの種、アーモンド、アルファルファ、プルーン、たけのこ、玄米、大豆、小豆、蕎麦、ゴマなどがあります。
特にビワの種には、ビワの葉よりアミグダリンの成分が数千倍も含まれています。
近年ビワの効果が見直され、ビワの季節になると、ビワの種を焼酎に漬け、家庭の保健薬として利用されています。
砂糖入の場合はドリンクとして、砂糖なしは塗布用として親しまれて
います。
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